創作物

コラムインタビュー

2.5次元舞台の魅力 MANKAI STAGE A3! シリーズ等で活躍の赤澤遼太郎さんに聞く

 2.5次元舞台。それは、アニメ、ゲーム、漫画が原作の作品で、今や人気コンテンツの1つでもある舞台。あまりその実態を知らない人も多いのではないでしょうか?

 そこで、最前線で活躍する赤澤遼太郎さんに語っていただきました。MANKAI STAGE A3! シリーズや、演劇調異譚『×××HOLiC』などの人気舞台に出演し、2024年に行われる、27歳記念公演では、歌やMV作成にも挑戦をしています。そんな赤澤さんの努力、魅力、そしてこれからにも迫ります。


——赤澤さんが思う、2.5次元舞台と普通の舞台の違いとは?

 自分以上に役のことを好きな人がいるっていうのが違いかなって思います。僕自身もアニメがすごく好きで、中学の頃からずっとアニメ見てきたからオタクだし、だからこそ、自分の好きなキャラクターがアニメの絵以外で実態となった時にどうなるかっていうのがすごい怖いなって思って。だから2.5の舞台やるときは、僕以上にキャラクターのことを考えてる人ってたくさんいるから、その人たちと同じように愛そう、そういう人たちの為にやろうみたいな意識はすごい持つようにしてます。

 なおかつ、『MANKAI STAGE A3!』の七尾太一だったら、アプリの立ち絵だけでは、見えない、キャラクターが喋ってる時の表情や、何を考えてるんだろうという細かいところを、自分で埋めていくっていうのは、すごい面白いなって思いますし、自分がそのキャラクターを演じる意味なのかなとも思います。それが多分、2.5次元の舞台と普通の舞台のちょっとした違いで、そこに気づいてくれると嬉しいなって思います。

 

——いろんな舞台が、企画段階から本番まで、並行して進んでるが、それに伴うスケジュール感や、意識していることはありますか?

 並行してやるようにはしてます。それこそ今、MANKAI STAGE A3!の本番中で、その合間に1月にある主演舞台のHIGH CARDっていう舞台の主演舞台のセリフも台本がちょうど出来てきてて、セリフをちょっと覚えつつみたいな、同時並行で、前もってやったりはします。あとは、2.5次元の舞台だと、先んじてビジュアル撮影が稽古の前にあったりして、そのビジュアル撮影の前にやっぱり原作は読んでおいたりしておかないと、いい写真が撮れなかったりとか、キャラクターを1番最初に落とし込むっていうのがビジュアル撮影で、その瞬間までには、このキャラクターがどういう表情であったら、ファンの人が嬉しいのか、原作の人が嬉しいのかを考えています。前もって、原作の勉強をして、役を深めていっています。

 

——セリフを覚える上でのコツはありますか?

 時間と慣れ、何回繰り返したかは結構あるなとは思っていたりします。もちろん、記号ではなくて、感情で覚えるようにしていて、やっぱり記号で覚えちゃうと、どうしても一気に飛んだ時に収集がつかなくなったりとかしちゃうので、相手のセリフとかシチュエーションとかを受けて、相手から働きかけられるものがあるから、自分の心の中で動いて、このセリフ、この言葉が出てくるっていうのは、意識しています。

 1つ1つのセリフを紐解いていったら割と簡単に覚えられるかな。

 

——これから先、どのような舞台やお仕事をしていきたいですか?

 2.5次元とは一生関わっていきたいなとはすごい思っています。軸として1個大事にしておきたいものだなと。ただ、それと付随して、色々な仕事を経験しなきゃいけないなっていうのはすごく思っています。2.5には2.5の戦い方があって、 映像作品には映像作品の戦い方があって、最近、声優さんをやらせてもらう機会もあって、その上で、やらなきゃいけないこと、ノウハウというか、その幅はどんどん年々増やしていきたいなってのはすごく思っています。だから、どの舞台に出たいっていうよりも、色々な作品に出て、色々な役と出会いたいって方が結構近いかもしれないです。やっぱり、今の年齢しか会えない役とか、そういうタイミングってめちゃめちゃあったりするなって思ってて、個人的に、縁というか、この時期にこの役が来たんだみたいな、そういう巡り合わせがすごいこっから先来ると思うから、その出会いの1つ1つを大切になんかしていけたらいいかなって思っています。

歌が結構僕はキーじゃないかなって結構思ってたりして。それこそ、ミュージカルだったりとか。

 

——歌に力を入れていると伺っています。

 実は、あまり得意な方の俳優じゃなくて、むしろ避けたいと思っていました。いろんなお仕事のご縁があって、歌わなきゃいけないことがすごい多くて。今年の1月ぐらいに、チェーザレっていうミュージカルがあって、そのお話聞いた時に、歌を1回、諦めようかみたいな話にはちょっとなってて。

 でもまだ若いし、挑戦してみようってことで、チェーザレに挑戦してから、歌の仕事がすごい増えるようになってきて、戦国ALIVEだったりとか、他のところで歌う機会がすごい多くなってきて、ちょうどそのくらいに、ミュージカルコードギアスの主演が決まったりして、それでずっと、歌と向き合っていきたいなと。その中で、この27歳記念公演にも繋がるけど、この自分のやりたいことを詰め込んだ記念ライブというか、頑張って歌を歌おうって思ったのが結構きっかけだったりします。

 

 

 

 

——27歳記念公演は、歌をメインに、ストーリー性のあるMVも作成するとのことですが、どうしてストーリー性を持たせたかったのですか?

 ただMV作るのもいいかなと思ったんですけど、僕の軸はお芝居であるから、お芝居と、挑戦したい歌を絡み合うってなった時に、ミュージカルがいいんじゃないかって出たんですけど、やっぱり1人ミュージカル、とんでもない負担があるし、お金もかかるし、スケールも違うし、さすがに無理だなってなった時に、僕、動画編集が得意だから、その動画編集でMVを作ろうってなって。 そのMVにストーリー性を持たせたら、映像のお芝居の勉強にもなるし、色々な意味でいいんじゃないかって思って、1本のストーリーを作ることにしました。

 

——映像編集についてはいかがでしたか?

 めちゃめちゃ大変でした。一応撮影は終わったんですけど、やってみて、 自分で自分の映像編集していて、使いたくなる瞬間があるんだなって思って。編集する側の気持ちとして、役者がここのタイミングでこういう表情をしてくれたら、この絵使いたいよねとか、 こういう表情になるんだなって。すごい自分がやったことで客観的に見えて、だから割と自分の心の中で思ってるだけじゃなくて、ちゃんと表に出して、伝えないと、映像って使いづらいんだなって思いました。それがすごい発見で、やっぱり舞台だけやってたらなかなか分からないようなことだったから、その時点で、やってよかったなと思いました。

 

——現在、様々な活躍を見せている、赤澤さんですが、目指している俳優像はありますか?

 おじいちゃんになってもキラキラしてたいなってすごい思います。お芝居表現をずっと楽しんでいきたいなって思うし、 そこに対して満足ずっとしてない俳優でいたいなって思います。80歳でやる芝居も、多分自分はまだまだ下手くそだって思えるような生き方とか、やっていきたいかなって思いますね。目指してるとこはそこかな。

 ずっとお芝居と一緒にいたいっていうのは、あります。


 第一線で活躍する俳優さんに実際に聞かなければわからなかった、2.5次元舞台の奥深い世界を知ることができました。どんどんいろんなことに挑戦していく、赤澤遼太郎さんに目が離せません。関心を持たれた方は、彼の27歳記念公演に足を運んでみてはいかがでしょうか。

 
<公演概要>
赤澤遼太郎27歳記念公演 KARAOKE&MV SHOW!!
◆東京公演
2024年2月5日(月)・2月6日(火) ※全4ステージ
【会場】
池袋Theater Mixa(シアターミクサ)
◆大阪公演
2024年2月11日(日) ※全2ステージ
【会場】
HEPHALL

執筆者

取材/文芸学科3年 田中 心野、演劇学科3年 原田 杏、演劇学科1年 髙瀬 華

文/田中 心野

写真/原田 杏

この記事は2023年度文芸特講IIIの実習で制作されました。