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お知らせ教員活動報告

山下洪文先生監修の『実存文学Ⅲ』が刊行

 山下洪文先生監修の『実存文学Ⅲ』が、未知谷より刊行されました。

 舟橋令偉さん (日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程芸術専攻一年生)・内藤翼さん(日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程文芸学専攻二年生)・島畑まことさん・中田凱也さん(以上、日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程文芸学専攻一年生)・ 秋山実夢さん・梅元ゆうかさん・ 古川慧成さん (以上、日本大学芸術学部文芸学科四年生)・黒井花音さん(日本大学芸術学部映画学科四年生)・海老沢優さん(令和四年度日本大学芸術学部文芸学科卒業生)・田口愛理さん(令和五年度日本大学芸術学部文芸学科卒業生)の論考・作品も掲載されています。

※詳しくは公式サイト(https://www.jitsuzonbungaku.com)を参照してください。

 人間の死・歴史の死・文学の死がまことしやかに語られるこのいま、実存の業火を灯しつづけるべく、学術叢書『実存文学』は創刊された。
 神に魅入られたかのような異貌の抒情詩を綴り、二十歳で事故死した勝野睦人、世界への殺意をこの上なく美しく歌った詩を数篇残し、二十歳で病死した牧野虚太郎の全作品を掲載するとともに、その歴史的意義を解明する数々の論考、そして創作の「いま」を刻み込む詩・小説を付す。
「ひつそりとそれさへも道である」――生きる道は途絶えていたのに、詩人は「道」を詩で指し示した。その道の一つを、生き残った詩人たちは「荒地」と呼んで歩いた。私たちもまた、「時代遅れ」の実存を抱いて、一つの「道」を行こうとしている。偽りの言葉・偽りの思想の氾濫するなかで、生も死も偽りかもしれぬと覚悟しながら、なおひたむきに言葉を紡いだ軌跡がここにある。(裏表紙より)

目次

○特集・勝野睦人
解説 勝野睦人について 山下洪文
アルバム
勝野睦人全集
詩集
マコチヤン/夕暮/どこかのカッフェーの隅っこで/冬/錆びた恋歌/音信/「浜辺」のエスキース/ソネット Ⅱ/モノローグ/洗濯物のうた/ソネットⅢ/グラスに注ごうとする私のこころは/わたくしはピアノの鍵盤です/的/AVRIL/えぴそおど/VIRGINITE/Conversation(三篇) 草叢 坂道 空地/鐘楼/目覚めの少女/部屋/硝子戸/わたしはひとつの……/「憧れ」は/そのむかし/LA NATURE MORTE II/マヌキヤンによせて/LA NATURE MORTE I/「哀しみ」は/抽出し/ああ 或る日/穴/蝿/蝿/「こころ」は/車輪/ぼくは
散文

「様式」ということ/往復書簡/『ロシナンテ』第一二号あとがき
書簡
インタビュー 勝野睦人の思い出 竹下育男(談) 舟橋令偉・古川慧成(聞き手)
論考 括弧書きにされない叫び――勝野睦人のこと 田口愛理
   「あなた」の回復――勝野睦人論 古川慧成
   透明な言葉のゆくえ――勝野睦人論 島畑まこと
    言葉は捨てられた小壜である――勝野睦人論 舟橋令偉
略年譜 舟橋令偉・山下洪文編

○小詩集
透明なる焔 島畑まこと
約束 田口愛理
母子の鏡 古川慧成
瞬きを待つ瞳 中田凱也
石長比売 舟橋令偉
ほつれるすいめん 黒井花音
窓越しの祝祭 秋山実夢
日々 梅元ゆうか
神になるとき 山下洪文

○小説
やわらかな角 島畑まこと

牛腸ひのえの帰属 海老沢優
○特集・牧野虚太郎
解説  牧野虚太郎について 山下洪文
牧野虚太郎全集
詩集
象牙の雑草/破れた靴下/象牙の雑草/夏のエスキイス/静かなる室/象牙の位置/フルーツ・ポンチ/色彩の報告/葉脈と時間/喪失の彼方/遥かなる測量/碑/独楽/鞭のうた/花/復讐/神の歌/聖餐/掌
散文

各人各説/座談室/雑録/雲・雲・雲/雑録/各人各説/各人各説/各人各説/詩壇時評/詩壇時評/詩集批評/各人各説
論考 静かなる予感――牧野虚太郎論 中田凱也
   あふれる邂逅にむけて――牧野虚太郎論 内藤翼
   もう一つの「荒地」への旅――荒地派と牧野虚太郎 山下洪文

○後記