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教員活動報告

山下洪文先生監修の「実存文学」が刊行

 山下洪文先生監修の「実存文学」が、未知谷より刊行されました。

 中田凱也さん・舟橋令偉さん(以上、令和2年度文芸学科卒業生)・宇野有輝恵さん・海老沢優さん・桑島花佳さん・内藤翼さん・正村真一朗さん(以上、文芸学科3年生)・加藤佑奈さん・島畑まことさん・田口愛理さん・中山寛太さん・松本幸大さん・湯沢拓海さん(以上、同2年生)・古川慧成さん(同1年生)他の論考・作品も掲載されています。

※非売品のため、各地図書館等でお読みください。山下洪文先生にお借りすることもできます。

 言葉が原野とすれば、詩は切り開かれた一つの道である。そして歴史は、道を照らす光である。

 言葉の原野は踏みしだかれ、その足跡が詩になる。だが、それが詩なのか、ただの痕跡なのか、それとも何もなかったのか――そのことを知るためには、原野はあまりに暗い。言葉は、言葉だけではただの記号にすぎない。歴史という「光」に照らされて、初めて言葉という原野は、詩という道は、私たちの前にすがたを見せる。

 足元の見えない場所を歩んでゆくのも、決して無駄ではない。やがて歴史の光は、こちらに射し込むかもしれないのだから。

 たどたどしい足跡を原野に記すこと――それが詩人の使命だ。その道に光をあてること、その言葉を必要とする時代を到来させること――それが批評家の使命だ。私たちは、それを実行するだろう。…………(「創刊の辞」より)

目次

○創刊の辞

○特別寄稿 方法としての遊戯、冒険としての解釈 藤田一美

○特集・飯島宗享
解説 飯島宗享について 山下洪文
アルバム
未発表小説 ガラスの家 飯島宗享
回想録 父・飯島宗享の思い出 飯島徹
エッセンス&入門 田口愛理・桑島花佳・島畑まこと・正村真一朗
講義録 実存主義は滅びず 山下洪文
論考 自己を繋ぐ道跡――飯島宗享論 中田凱也
   遺影の時代――飯島宗享論 加藤佑奈
略年譜

○小詩集
母はつぐないの雨のなかで 舟橋令偉
母よ語れ 内藤翼
死にゆかない永遠 桑島花佳
虚たち 島畑まこと
融けて解ける 田口愛理
葬流 正村真一朗
血の泉 宇野有輝恵
残された空で 古川慧成
物書きと妖精少女 松本幸大
花死体 中山寛太
無音になる朝 中田凱也
枢軸詩篇 山下洪文

○小説
思想と爆弾 海老沢優
タゾカレ 湯沢拓海
良い子 湯沢拓海
剥製 島畑まこと

○批評
創刊に寄せて 中田凱也
創刊に寄せて 舟橋令偉
主語の空洞化――「私」から現代音楽を分析する 中田凱也
近代思想論序説 山下洪文

○特集・鈴木喜緑
解説 鈴木喜緑について 山下洪文
アルバム
鈴木喜緑全詩
論考 あなたは太陽のかたちをしている――鈴木喜緑論 舟橋令偉
   祈る背中――鈴木喜緑のこと 内藤翼

○後記